微睡む右京の耳に誰かの話し声が聞こえた。



彼は夢と現実の狭間でぼんやり考える。



そして漸くその声がいつものニュースキャスターだとわかり、テレビから聞こえて来たのだと理解した。



腕を伸ばすがそこに忍は居ない。



コーヒーの香りがするから彼女は既に起きているのだろう。



ゆっくりと瞬きを繰り返し、脳の覚醒を待つ。



だが、それより先に携帯から着信音がして右京は仕方なく身体を起こした。



『…誰?』



『よぉ、クロウ。寝起きか?』



『いや…まだ起きてない…。』



電話の向こうではアランが失笑しているような気がした。



『帰国前に一度P2に寄ってくれ。』



それだけ言って切れた携帯をポイと投げ、右京は特大の欠伸をしながら伸びをした。