長い睫毛を伏せ自責の念に駆られた右京に忍は「大丈夫…」と返す。



「…忍が好きなんだ…ただそれだけなんだ…」



「ん。…判ってる。」



“彼女の全てを自分一色にしてしまいたい。”



そんなどうしようもない独占欲に支配される。



忍の不安を取り去りたいのに、結局彼女を不安にさせるのは自分だった。



忍の肩に顔を埋めた右京を優しく抱き締めてくれる彼女が堪らなく愛しい。




「…俺を嫌いにならないで…」



「なるわけないでしょ?どんな右京でも、右京が右京で有る限り、嫌いになんてならないわよ。」



自分の弱い部分を笑い飛ばしてくれる彼女に、今も昔も惹かれている。



それが右京の力になり、強くするのだ。



…忍には指一本触れさせない。



微かに淀む空気に包まれた街の光を見詰め、右京は誓った。



自分の愛すべき人を守り抜くと…。