病院に着くと、その異様な光景に二人は唖然となった。
「…なんだ、これは…」
「…ここってERじゃないよね?」
まさに“パンデミック”と言える程の患者の数に驚く。
待合室は人で溢れ返り、その間を縫うようにしてやっと受付にたどり着いた。
『ごめんなさいね、ちょっと待っててね』
受付では申し訳なさそうにそう言われ、『嫌だ』なんて言える訳がない。
「…ここでウイルスを貰いそうだ…」
「同感…」
ここまで酷いとうつるはずのない右京でさえ危機感を感じた。
そこから数時間待たされ、診察室に呼ばれたのは既に昼近かった。
『君のは流行してるウイルスじゃなさそうだね。』
忍はストレスが原因と言われ、ホッと安堵の息を吐いた。