久しぶりに右京は最初の目覚ましの音で起きた。



まだ寝ている忍の額に手を当ててみたが、まだ少し熱がありそうだ。



静かにベットから這い出るとシャワーを浴び、リビングのテレビを付ける。



─“…各地で猛威を奮っている風邪は新型ウイルスである事が判明し…”



落としたてのコーヒーをコポコポとマグカップに注ぎながら耳を傾け…。



─“…ワクチンが不足している事が今回のパンデミックの原因と考えられ…”



テーブルに寄りかかったまま暫しテレビに釘付けになる。



「病院…連れてくか…」



コーヒーを啜りながら独り言を呟き、静かにカップをテーブルに置くと、そっと寝室に入り忍の脇に腰を降ろした。