「じゃあ…」と忍は手を差し出すと、熱で少し潤んだ瞳で右京を見た。



「手…握ってて…?」



「ん。寝付くまでここに居るから…何かあったら言えよ?」



小さく頷いて目を閉じた忍は「右京…」と呟く。



「なに?」



「…大好き…」



「煽るなよ…罰ゲーム中なんだからぁ~」



忍は口元に笑みを浮かべ、暫くすると眠りに落ち…



「…こんくらい許せよ?」



スヤスヤと寝息を立てる彼女の額に右京はチュッとキスをした。



…この調子じゃ、週末のデートはお預けかもな…。



右京としては彼女と過ごせればそれだけで満足だったが、たまには忍を何処かに連れていってやりたかった。



その為に今日も多少残業をして業務を片付けて来たのだ。



右京は彼女の体調が改善する事を祈りながら、自分も眠りについた。