「…辛くない?」



「ん…大丈夫…。」



「…食事は?」



「さっきちょっと食べた…。」



「…何か欲しい物はない?」



「………右京…寝れないんだけど…。」



耳元で質問攻めにされ、忍は片目を開けて右京を睨んだ。



シュン…と寂しそうな表情をした彼に何故かこっちが悪い事をしたような気分になる。



「心配しなくても大丈夫だから…。」



「ん…。心配なのもあるんだけど…忍が寝ちゃうと、俺ひとりじゃん?…寂しいかも…。」



そんなかわいい事を言う右京に忍は胸がキュンとなった。



そっと手を伸ばして彼の銀髪を優しく撫で、「…じゃあ、仕方がないね」と微笑む。



右京の顔が近付く気配に忍は慌てて彼の唇を手の平で塞ぐ。



「駄目!風邪かもしれないから。」



「…あれも駄目、これも駄目って…これは何の罰ゲームなわけ?」



不貞腐れた右京に忍はクスクスと笑った。