…それに、DR.ベッカーは恐らくまだ何か知っている。



ティタノマキアを目前にして暢気に構えているワケにはいかない。



右京は少しでも多くの情報を手に入れる必要があると考えていた。



『…なにしろ時間がないからな…』



戦いの火蓋が切って落とされるのもそう遠くはないだろう。



右京は立ち上がるとポケットに手を入れて歩き出した。



…とりあえず、今はこっちの問題を片付ける方が先決か…。



『本部に行くぞ。向こうに着くまでにアランを納得させる台詞を考えてくれ…』



重い足取りでため息混じりに言う右京を追って虎太郎が首に腕を巻き付けた。



『なんだかんだ言って面倒見いいよな?右京って…』



『仲間だしな…。』



『右京のそういう所、俺好き~!』



擦り寄って来る虎太郎を押し返す右京に、ダンとベッカーも笑いながら後を追って部屋を出て行くのだった。