『あぁ―…お前はいい。話がややこしくなるから…。』



『右京さん、最近冷たいですね…やっぱり恋人との情事を邪魔…ぐはぁっ!?』



一陣の風が自分の目の前を横切ってクドラクに直撃する様子を唖然と眺める。



『黙れクドラク!腹立つから思い出させんな!』



『大変だね…右京も…。』



『まぁ、クロウの場合は自業自得だからな~…』



憐れみの眼差しを向ける仲間に右京はフンッと鼻を鳴らすと、長い足を組み直した。



…あまり聞かない方がいいかもしれない…。



ベッカーは独り妙に納得して頷いた。



『さて…アランをなんて説得するかな…』



ダンはちょっと驚いた表情をして『反対じゃないのか?』と首を傾げた。


『反対だよ。』



『なら何故…?』



『俺ははっきり言ってドクターの事は何も知らない。でもダンは信用出来るからな。』



ダンはベッカーと顔を見合わせちょっと笑った。