「で?…いつ?」



お風呂上がりに冷たいお茶を飲んでいると、洗い物を終えた母にそう聞かれ忍は首を傾げる。



「いつって、何が?」



「結婚式よ!!」



忍は飲んでいたお茶を豪快に吹き溢し、仕舞いにはゲホゲホと噎せながら母を見上げた。



「ななな、なんで知ってんの!?」



先日の右京のプロポーズ…なのかは微妙だが、その話はまだ誰にも話していない。



「だってあの時右京ってば宣言して家を出てったもの!…あの子、昔からやるって言った事はやる子だし…」



「何それ…宣言って誰に宣言したの!?」



「お父さん。…まぁ、修羅場だったわよ~!!」



考えただけでもゾッとする。



そもそも何故右京が宣言したのかというと、それは空港から自宅までの車中での出来事が発端だった。