その爆発でシアターは炎上したが、幸い死者は出ていない。
『俺はよ…不思議なんだ。あれだけ炎にまかれて、誰も死ななかったなんて奇跡としか言えねぇよ!』
…“奇跡”…
ダンは“奇跡”じゃないと感じた。
『…多分それは“天使の加護”があったんじゃないか?』
『おぅおぅ、そうかもしれないぜ!』
…俺達は護られたんだ…!
『けどよ…妙なんだよなぁ~』
『な、なにが?』
『あの時お前が連れてった部下がさ、スクリーンが燃え上がったって言うんだ。』
『じゃあそこに爆弾が仕掛けてあったとか?』
『そう思うだろ?…だが、鑑識の話だと火元の特定が出来ないらしい。』
『火元が?スクリーンが炎上したんなら舞台装置とかじゃないのか?ニュースでもそう言ってたろ?』
『いや、それはマスコミに流した表向きの情報さ。』
実際はプロの鑑識班が首を傾げるほど、爆発の痕跡が何一つ無かったとか…。

