慌ただしく行き交う警察の人間を見ながら、彼は少し目を輝かせた。



…スゲー…!まるで映画みたいだ!



映画好きが高じてここでバイトを始めたのは2年ほど前だっただろうか。



別に時給が良かった訳じゃなくて、単に楽なバイトだったから2年も続いてるんだろうと彼は思った。



チケットは販売機があるし、自分の仕事といえばそのチケットをもらって半券を返す事だけ。



後はただ受付内で雑誌を見ながら時間が過ぎるのを待てばいい。



時々ワルぶった小学生や中学生が、チケットも買わずにこっそり忍び込もうとすることがあったが、ここには真面目な警備係がいる。



そんな素行も警備係は見逃さず、モニター室から直ぐ様内線が来るのだ。



おかげで受付の彼の評価も上がり、つい最近少しではあったが昇給したばかりである。