監視カメラのテープを回収するよう部下に指示すると、同僚はダンに向き直った。



『爆弾処理班は待機させてある。…館内に侵入するか?』



『ああ、だが目立たないよう行動したい。数人貸してくれ…俺が行く。君は映像を確認しながら指示を頼む。』



ダンはそう言うと懐から拳銃を取り出して装填しながらモニター室を後にした。



ポケットで携帯が鳴り出し、首の脇に挟みながら『手短に』と応答する。



『OK。万が一を考えて特攻二人がそっちに向かった。申し訳ないが、不測の事態になったら介入させてもらう。』



…特攻二人…クロウとクリスか…。



ダンは『ラジャー』と答えて、“不測の事態”にならない事を祈りながら通話を終了させた。