『どうする?客を全員出すか?』



『いや、それはまずい。パニックになったら厄介だ。』



それが狙いとも考えられる。



そして、やっと事務所から鍵を持って来たバイトの青年と中年の職員がやって来た。



騒然とした辺りに困惑しながらモニター室の施錠を外す。



数ヶ所あるモニターを順に確認していく。



売店、入口、ロビーと数秒毎に切り替わる画面を凝視していると、職員がおずおずと口を開いた。



『あの…全部録画してありますから…ちゃんとカメラも作動してますし…い、違法じゃないですよね?』



どうやらこのシアターが何らかの理由で摘発されるとでも思ったらしい。



『…カメラは全部で何台だ?』



『えっと…多分、5…いや、6台です。』



彼は切り替わる画面を指差し、その設置箇所を話す。



それに対してダンは礼を言うと、彼らを安全な場所に避難させた。