『セ、セイレーンって言った!?』



『はい、やたら態度がデカいセイレーンが、勝手に屋敷に上がり込んでまして…』



クドラクの言葉に虎太郎は徐々に血の気が引いていくのを感じた。



『そ、それで彼女は今何処に…?』



『応接室に…』



そこまで言ったところで部屋扉がバァンッ!と開き、虎太郎はビクッと飛び上がる。



『リ、リサ…!?』



『…随分いい身分じゃないの、ヒューガ…』



おそらく錯覚だろうが、リサの後ろに黒いオーラが見えた気がして彼はゴクリと唾を飲み込んだ。



クドラクは虎太郎の耳元で『何とかしてください』と囁くと、リサを軽く睨んで出ていった。



残された虎太郎はベットで微動だに出来ない。



リサはそんな彼にゆっくりと近付いて来た…綺麗な笑みを浮かべて…。