瞳が優しかった…。



普段は殆ど無表情で、時折見せる笑顔が魅力的だと思ってた。



だが、彼が言うように自分が知るどんな右京の表情より柔らかい…。



丁度その時、入口付近が騒がしくなった。



「…ああ、あともう一つ。あの人は忍さんしかまともに相手出来ないっすよ…。」



「…?」



そう言って口元をニッと上げた。



「うるせぇ!!喧嘩なら他でやれ、他で!!」



罵声を飛ばす右京に相川はギョッと目を見開いた。



「そう思うなら止めて来なさいよ!!」



「面倒臭ぇ…」



が、グラスの割れる音と共に常連同士の小競り合いはヒートアップしていく。



小さく息を吐いて忍がその騒ぎの渦中へと歩き出した。