正直にそう言えばきっと忍は無理をするだろう。



“私なら大丈夫”…そう言うのが判ってるから言わない。



「忍は大丈夫…俺が守るから…」



…それが“神に仕えるヤツ”だとしても…



忍は右京の言葉に応えるように彼の胸に顔を埋めた。



「…ごめんな…怖い思いさせて…」



安心して寝息を立て始めた小さな彼女を抱き締め、右京はそう囁いた。



…それでも傍に居て欲しい…



そう思うのはただのワガママなのだろう。



いつの間にか欲深くなっていく自分に気付く。



自己嫌悪をしながらも貪欲に…それはまるで“人間”に似ていた。



…“人間”ならもっと平穏に暮らせるんだろうな…。



もし自分が“人間”だったら…



そんな事を考えながら右京も浅い眠りに着いた。