ここ数年、彼は働きっぱなしだった。




『たまには休息も必要ですよ、ドクター。』



ナースの一人にそう言われ、アメリカでの医師フォーラムに参加したその足でバカンスを取る事にしたのだった。



だが、いざ休みとなると何をしていいのか困った。



会場の廊下をうーんと悩みながら歩く彼を誰かが後ろから呼ぶ。



『ドクター…!Dr.ベッカー!』



振り返るとそこに居たのは見覚えのある男だった。



…確か彼は…



『君は…ポートマン…?Dr.ポートマンじゃないか!?』



思いがけない旧友との再会で話に花が咲く。



彼とはインターンの頃からの付き合いだったが、ここ最近は全然会っていなかった。