その人物は商人からそれらを手に入れ、とある考古学者の元を訪ねた。



『…それがヘブライ大学の考古学者…つまり、3つの巻物を購入した本人だったのさ。』



って事は彼は6つの死海文書を手にしていた事になる。



『…公になってるのは7つだろ?…残りの3つは…?』



『それを今追ってるんだ。』



『…目星はついてんだろ?』



『ふふっ…察しがいいね。』



アランが推測するに、大主教が4つの死海文書の買い手を探すために出した広告はアメリカだった。



それを見たのが考古学者の息子なら、彼はアメリカに居る事になるのだ。



『恐らく考古学庁はアメリカで未公開の死海文書を手に入れたんだ。』



『…憶測で言うのはどうかと思うぞ?』



『クロウ…俺を誰だと思ってるんだい?ちゃんと裏は取る。その為にニックにアメリカに行ってもらってるんだ。』



またもやいいように使われているニックに、右京はちょっと同情した。