忍は右京と腕を絡ませ、終始ご機嫌だった。



右京はといえば、オンオフの切り替えがきっちりしていて忍はそれに驚く。



「仕事してる時の右京は全く別人ね・・・」



「働くってそういう事なんじゃねぇの?」



「そうかもしれないけど、普段の右京からは考えられないくらい真面目に見えるわ。」



もしかしたら、会社でも皆そう見てるのかもしれない。



「・・・会社はどう?楽しい?」



「ん?まぁ、楽しいよ。…つか、会社が楽しいってのも可笑しいかもしれないけど。」



だが、叔父は別として先輩たちもいい人ばかりで働きやすい。



唯一不満があるとすれば、高校時代の後輩である相川だけだ。



右京に気があるのは一目瞭然で、それを先輩たちに冷やかされるのが嫌だった。