ロンドンに着いたのは午後をちょっと過ぎたあたりだった。



右京に気付いたジムは両手を広げて「セガレじゃないか!?」と豪快に笑った。



彼とハグをして「ひさしぶり」と言うと、ジムはバシバシと右京の肩を叩いた。



「様子を見て来るように頼まれたんだよ。トラブルって聞いたけど?」



「そうなんだよ。・・・見ろよ、あれ!」



そう言ってジムは倉庫の中を指差した。



「うわっ・・・凄いな・・・」



倉庫内は将棋倒しになった荷物が散乱し、足の踏み場もない。



それを見て右京はジムがパニックになるのも判る気がした。



「なんでこんな事に?」



「うちの馬鹿な若造がフォークリフトで荷物に突っ込んだんだ。」



確かに荷物が多い倉庫ではあるが、そんなに通路は狭くない。



フォークリフトの操縦を誤ったとしてもちょっと酷過ぎると思った。