外は快晴。



右京は真っ赤な愛車のボディを軽くなぞりキーを差し込んだ。



轟くエンジン音が心地よい。



先日卒論を仕上げ、「来週帰る」と日本に電話を入れた時だった。



電話に出たのは叔父で、「ちょっと頼みがあるんだが・・・」と申し訳なさそうに話し出した。



なんでも、彼が以前働いていたイギリス支店で、トラブルがあったとか・・・。



「ジムから連絡が来て、大幅に商品の出荷が遅れそうだって言うんだ。」



「いったい何があったんだ?」



「それが、ジムもパニック状態で何言ってるのか・・・ちょっと様子見て来てくれないか?」



・・・まぁ、ツーリングがてらロンドンまで行くのも悪くない。



右京はそれを引き受け、ドゥカティに跨ると颯爽と走り出した。