『で?…何処からの報告だ?』



『それが…広報部なんです。』



『はぁ?…広報?』



部下の話だと、雑誌記者の二人組が来て“タブー”を口にしたと…。



『何故“タブー”を…?』



それはいわゆる“禁句ワード”だった。



何故かは知らないし、どんな単語かも知らない。



だが、上層部以外の人間がタブーを口にした瞬間コード“901”が発令されるのだ。



前回は研究員の中にどっかの諜報部が混じってたらしいが、今回はただの記者だ。



あまり気が進まないがこれもバラク達、警備の仕事のうちだ。



『仕方ない…連行しろ。』



『はい!』



ぞろぞろと挙って部屋を出ていく部下達を見送り、バラクは電話に手を掛けた。



そして、帰りを待っている妻に連絡を入れてやっと仕事へと向かうのだった。