警備室は定時を過ぎたというのに今だ人が多かった。



先日主任に昇格したバラクも残業組の一人だ。



彼は長時間勤務に疲れを感じ、パイプ椅子を2つ並べ仮眠をとっていた。



ふと内線が鳴っているのに気付いたが、部下が取るだろうと考えて起きなかった。



『バラク主任…』



彼は呼ばれて片目を開けた。



『あの…コード“901”らしいです…』



『“901”!?…何かの間違えじゃないのか?』



コード“901”といえば“不審者発見”を示す。



そして、つい数週間前にもコード“901”が発令されていた。



そうそう不審者なんて居るわけないと思いながらも無視出来ず、部下の報告に耳を傾ける。