忙しいと言っても連れて行くなら、何故暇かどうかを聞くのだろうか…?



「…意味わかんねぇし…」



思わず日本語でそう呟いた右京を見てニックが笑った。



『行って来いよ。そうやってバカンスに行けるのも今だけだろ?』



確かに仕事が始まれば暫くは日本での生活になる。



『あの怪現象もピタッと止まったしさ。』



『あぁ…なんか不自然だけどな…』



それにあの晩見た暗闇に居た視線の主が気になる。



それは右京が以前一度だけ見た事がある悪魔だった。



見間違えでなければだが…。



神妙な表情の右京を見て、レモネードを持って来たバージが『大丈夫ですよ』と微笑んだ。



『ハニエル様にも確認して頂いてますし、何か解れば直ぐに報告しますから。』



『…お前はホントいい子だな!!』



右京にグリグリと撫でられたバージは嬉しそうに頬を染めた。