後をつけていた男が言った。


「少し、浅かったな」


手代木は腹の傷を押さえて逃げ出した。


敵の憑き神が実体化して手代木の首筋を押さえた。


手代木は地面に押し付けられた。


妹を連れ去ったのと同じ、コウモリの羽根をした人型の神だった。


敵が言った。


「憑き神を出したまま隠れるバカは初めて見たな。

なあ、これで終わりなのか」


敵はニヤニヤしながら手代木の腹を蹴った。