そういう意味においても、圭君は彼氏より手軽でいいのかもしれない。


『しっかり鉄分取れよ。じゃあなー』

「うん、また連絡する」


始終明るい圭君の声に、少しだけ和らぐ自己嫌悪。
圭君は、私にとってそれなりに必要な人。
今はまだ手放したくないの。
昨日の己の気の緩みが作り上げたこんな醜い身体で、圭君に会いたくないの。















3日かけてなんとか取り戻した体重。
「嬉しい」というよりは、それは「安堵」の気持ち。
太っている時は、自分が太っているだなんて微塵も思わなかったのに、痩せた今、1グラムでも太ると焦る。怖い。腹が立つ。
だから、痩せる為に食事を抜いたり家の周りを走ったりするのが苦じゃないんだ。
何はともあれ、これでそれなりにまともにご飯が食べられる!


「よーっし、学校行くか!」


全裸の私は(パンツ1枚分の重さも体重計に乗せたくないのでね)一人でにやにやしながら、晴れ晴れした気持ちで体重計から足を下ろした。
今日は放課後、バイトに行って、その後バイトの仲間内で飲み会がある。
今度はヘマしないように、セーブしながら飲み食いせねば。