セミロングの黒髪をホスト風にセットして、化粧は色を使わずファンデーションのみ。
自前の切れ長の眼があるから、アイメイクも不要。
そんな写真が、3枚くらい載っている。


『あたしも、早く碧に会いたいな』

『待ってるよ、可愛い菫のこと』


さっき夜食に食べたコンビニのプリンよりももっと甘ったるい会話。
一時の活字でのやりとりだからこそ可能なんだ。
その日は2時近くまで、菫と他愛のないことを話した。













細身の黒いパンツにグレーのニットカーディガン、それに加えてローリーロドキンのネックレスとリングを身につける。
化粧は薄く、ナチュラルに。唇の赤みはファンデーションで消す。
香水はブルガリ。
どこからどう見ても、男にしか見えない。
(口を開けば、少し高めの声が違和感として表れるが)
これがいつもの“碧”の姿。
そして俺は待ち合わせの場所へと赴く。
指名してくれたのは、初めて会う女の子。