私に彼氏がいないことは、チームの皆が知っている。
「こいつなら残しても大丈夫」なんて思われていたんだと思う。
加えて、頼まれると断れない私の性格。
「ノー」とは言えないその状況、その自分が、嫌だった。
悲しくて疲れていて泣きたくて、仕事帰りの一杯のコーヒーだけが、私を癒してくれた。
寄るところなんてどこもない、待っている人なんて誰もいない。
それでも、まっすぐ帰るのが何となく嫌で、コーヒーを片手にふらふらと新宿の街をさ迷い歩いた。
そんなどろどろの私の前に、星羅が現れた。
「ほっとけず、『初回500円いかがですか?』と?」
金髪に細身のスーツを着た男の子。
ジャケットの中は派手なカットソー。
暗くてくたびれきった私に、眩しいくらいの明るい顔で、チラシを差し出した男の子。
それが星羅だった。
「そりゃ、ま、この仕事の特権は使わないと」
「それで、なんとなくついてっちゃったんだもんね」
ホストなんて、全く興味が無かった。
「こいつなら残しても大丈夫」なんて思われていたんだと思う。
加えて、頼まれると断れない私の性格。
「ノー」とは言えないその状況、その自分が、嫌だった。
悲しくて疲れていて泣きたくて、仕事帰りの一杯のコーヒーだけが、私を癒してくれた。
寄るところなんてどこもない、待っている人なんて誰もいない。
それでも、まっすぐ帰るのが何となく嫌で、コーヒーを片手にふらふらと新宿の街をさ迷い歩いた。
そんなどろどろの私の前に、星羅が現れた。
「ほっとけず、『初回500円いかがですか?』と?」
金髪に細身のスーツを着た男の子。
ジャケットの中は派手なカットソー。
暗くてくたびれきった私に、眩しいくらいの明るい顔で、チラシを差し出した男の子。
それが星羅だった。
「そりゃ、ま、この仕事の特権は使わないと」
「それで、なんとなくついてっちゃったんだもんね」
ホストなんて、全く興味が無かった。


