我ながら、それなりに美味しく出来ていたんじゃないかな…。












不動産屋に勤める遊晴の帰りは遅い上に、何時になるか全く読めない。
その為に私に渡してくれた合鍵。
今から半年前、付き合って3ヶ月目に、「いつでも来ていいから」と私に渡してくれた。
それが嬉しくて嬉しくて、その日から私はほぼ毎日のように遊晴の家に行っている。
親の建前もあるから、終電で帰ることが殆ど。
それでも、遊晴と少しでも一緒にいたい。
可能な限り、毎日会いたい。
そうは言っても、最近はこうしてちっとも会えない。
遊晴のいない遊晴の部屋で、一人ぽつんとテレビを観て終電を待つ。
昼のお弁当のお礼以降、遊晴からのメールがないから、きっと仕事が忙しいんだ。そうに違いない。
自分自身に必死にそう言い聞かせ、私は暇潰しがてらネイルを塗り直そうと鞄からマニキュアを取り出した。