問題山積み

私服の星羅を見るのは久しぶり。
同伴の時は、スーツ姿が多いから。
こうして星羅のオフの時に会うのは、これで2度目。
出来れば星羅の売上を作りたいから、星羅が出勤の時がいいんだけど、星羅が「俺が休みの時に、ゆっくり結衣に会いたい」なんて我が儘を言うから。


「お腹空いたでしょ?」

「かなり。今日、何も食べてねぇもん」

「いっぱい食べなよー」

「太っちゃうじゃん!」

「まだ若いんだから、平気平気」


ころころと笑う星羅を無視し、私は店員を呼んで、あれもこれもと注文し始めた。
お姉さんぶりたいんだな…としみじみ思う。
星羅とは7歳も違う。
“おばさん”だなんて、思われたくない。
星羅は若い。肌のキメも、金色に染め抜いた髪の質感も。
何もかも私は劣るのに、そういうところが可愛くて仕方ない。
加えて、些かボキャブラリーの貧困なところも好き。
ちょっと馬鹿っぽい方が、年下の男の子は可愛いのだと気付かされた。











牛タンを焼く私の手を見つめていた星羅が、突然ぱっと顔を上げた。