真也は必ず私にシャワーを浴びせたがる。
私、そんなに汚くない。
毎日お風呂入ってるし、化粧だってきちんとしてる。
それなのに「シャワー浴びろ」だなんて、ちょっと失礼なんじゃないかな。
だけど私は怒らない。
だって相手は真也だから。
真也が望むなら、私は真也が望むように行動する。


「ん、シャワー借りるね」



私は立ち上がった。
長い睫毛に、くっきりした目鼻立ち。
小さな顔、高い身長、細身なのに筋肉質なその体つき。
10人中9人は、間違いなく真也を「イケメン」だと言うだろう。
現に真也は有名な男性誌の売れっ子モデル。
その雑誌のモデルの中でもずば抜けてイケメンの真也が、私なんかとセックスしている。
私だって特別ブスじゃないけど、めちゃくちゃ美人って訳じゃない。
クラブでたまたま知り合って、そこから真也と接点ができた。
その日のうちに私は真也に“お持ち帰り”されたんだけど、それって凄くない?
だって真也だよ?
しかも、真也は「1回ヤッてポイ」じゃなくて、こうしてちゃんと定期的に私を呼んでくれる。
多いときは月に5回くらい。
それが私の生理と被ったりすると、私も泣きたいくらい残念。