真也は気まぐれだから、あんまり遅くなったら、私なんて要らないって思われちゃう。


「入れよ」

「うんっ」


促されるまま、私は靴を脱ぐ。
真也の部屋はこざっぱりとしていて、それがなんだか心地いい。


「何してたの?」


私の前を歩く真也は、私に背を向けたまま口を開く。


「サークルの飲み会だよ」


私がそう言うと、真也は、


「ふーん。他の男とヤる予定だった?」


振り向いて見下すように笑い、私を見た。


「馬鹿!違うし!」


慌てて否定するも、それに対する真也の返事はない。
リビングのドアを開け、さも私なんか見えてないような感じでソファにどかっと座った。
私も、真也の隣にいそいそと座る。
ふわふわのソファに、甘いお香の匂い。
その感覚だけで、酔っちゃいそう。
うっとりと実感していると、真也は無表情で、


「シャワー浴びてくれば?俺、あっち行ってるから」

寝室を指して、私にそう命じた。