問題山積み

ちゃっかりリングを受け取っていて、そんな酷いこと…と思うが、いざとなったら躊躇なくできる気がした。
早く涼平からのプロポーズして欲しいのに。
この二股になかなか決着をつけることができない私に、決めの一手を与えて欲しい。















「佐伯さんから、まひるさんのインタビューのデータが来ました」


ちょうど私の背後を通った伊藤さんに、振り向き様に声を掛けた。
伊藤さんは来週から始まるまひるのツアーの打ち合わせに行っていて、たった今会社に帰ってきたところのようだ。
そして私もたった今、大地からのメールを伊藤さんのパソコンに転送したところ。


「お、有り難う。ご苦労さん」


伊藤さんはけだるそうに頭をがしがし掻きながら、相変わらず私の方なんて見向きもせずにどこかに行ってしまった。