何を血迷ってそんなことになったかと我ながら思うが、涼平の就職先が小学校だと聞いて、捕まえておかない理由はないと瞬時に考えたのだ。
その頃から、私は安定した将来が欲しかった。
結婚してからも共働きだなんて、真っ平御免だ。
子供を産んで、家庭に入って、専業主婦になりたかったから。
何が何でも、平和で平凡な結婚を手に入れたかった。
だから付き合い始めて冷静になった頃、涼平を改めて見直してみて、涼平そのものを好きになりきれなかったが、目をつぶった。
「なあ、これ観たら池袋行かない?」
「どうして?」
「俺、ちょっと服見たいんだよね」
涼平の言葉に、私の笑顔が引き攣る。
涼平は垢抜けない。
癖のある黒髪を短くし、いつ会っても地味で安い服ばかり着ている。
だから、「服が見たい」と言われても、安くてお洒落じゃない服の買い物など全く行く気になれない。
その頃から、私は安定した将来が欲しかった。
結婚してからも共働きだなんて、真っ平御免だ。
子供を産んで、家庭に入って、専業主婦になりたかったから。
何が何でも、平和で平凡な結婚を手に入れたかった。
だから付き合い始めて冷静になった頃、涼平を改めて見直してみて、涼平そのものを好きになりきれなかったが、目をつぶった。
「なあ、これ観たら池袋行かない?」
「どうして?」
「俺、ちょっと服見たいんだよね」
涼平の言葉に、私の笑顔が引き攣る。
涼平は垢抜けない。
癖のある黒髪を短くし、いつ会っても地味で安い服ばかり着ている。
だから、「服が見たい」と言われても、安くてお洒落じゃない服の買い物など全く行く気になれない。


