要領が良いのも器用なのも、決してメリットばかりじゃない。
更に「良心」があるのならば、尚のこと質が悪いだけ。
優柔不断だと言われてしまえばそれまでで、でも仕方ないじゃん、選べないんだもん。
どっちも好きな場合、どうしたらいいって言うの?
そうやってずっと自分に言い訳ばかりしてきた。
きっと私は、これから先もそうやって生きていくのだろう。
大地と涼平(りょうへい)、どちらを選んだとしても。














「沙枝ちゃん、今日14時からインタビュー立ち会いお願い」


お昼を食べた後のパソコンとの睨めっこは、正直しんどい。
眠気との戦いだからね。
そんな悪戦苦闘の中(雑誌社にメールの返信をしていただけなんだけど)、先輩の伊藤さんの声。
向かいのデスクで、私に目もくれず、パソコンのキーボードを叩いている。