問題山積み

馬鹿嫁、美和子、将の会話を、くすくすと笑っている婚約者とお母さん。
どうしてこの人達はこんなにも自らの壁を取っ払うのが上手いんだろう。
羨ましくないけど、感心する。
私も皆と同じように炬燵を囲っているのに、私だけが疎外感を背負っていた。
炬燵の外に出ている舞侖は、毛布に包まって我関せずと眠っている。
誰も観ていないテレビに視線を投げた。
流行りの若手芸人が、派手なステージで漫才をやっている。


「彼氏さんは、今日はお仕事は?美容師さんって、元旦から働いているイメージなのに」

「僕は今年は運よく休みを貰えたんです。去年は三が日とも働きましたよ」

「うわあ、たいへーん!まーくんなんて、一昨日から家でごろごろしているのに!」


馬鹿嫁の馬鹿っぽい質問にも、懇切丁寧に答える美容師。
つくづく偉いなって思うよ、本当に。