老けた横顔は、お玉を唇に当てて、くっと味見をしている。
「仕方ないよ、美和子は。どうせ新年早々彼氏といちゃついているんだよ」
「千代、そんなこと言うんじゃないの」
古風な母が、眉を歪めてぴしゃりと言い放つ。
感覚が古いお母さんが、よくまあ美和子の同棲を認めたもんだ。
それ以上に厳しいお父さんが生きていたら、美和子の同棲はなかったかもな。
美和子は2年ほど前から彼氏と同棲をしていて、事あるごとに彼氏と我が家に顔を出す。
もう婚約している身だし、美和子が就職した直後にお父さんに先立たれて普段は私と二人暮らしのお母さんは「こんなにまめな彼氏はいないわ」と喜んでいる。
一人なのは、私だけだ。
私だけが誰もいない。
最近別れたばかりだとか、そうでなくとも過去に誰か付き合っていた人がいたなら、お母さんも私に少しは期待をしたかもしれない。
「仕方ないよ、美和子は。どうせ新年早々彼氏といちゃついているんだよ」
「千代、そんなこと言うんじゃないの」
古風な母が、眉を歪めてぴしゃりと言い放つ。
感覚が古いお母さんが、よくまあ美和子の同棲を認めたもんだ。
それ以上に厳しいお父さんが生きていたら、美和子の同棲はなかったかもな。
美和子は2年ほど前から彼氏と同棲をしていて、事あるごとに彼氏と我が家に顔を出す。
もう婚約している身だし、美和子が就職した直後にお父さんに先立たれて普段は私と二人暮らしのお母さんは「こんなにまめな彼氏はいないわ」と喜んでいる。
一人なのは、私だけだ。
私だけが誰もいない。
最近別れたばかりだとか、そうでなくとも過去に誰か付き合っていた人がいたなら、お母さんも私に少しは期待をしたかもしれない。


