圭君らしからぬその発言に、私はぽかんと口が開く。


「なんだよ、その顔」


不服そうに、圭君が眉を歪める。


「いや…行け行け押せ押せな圭君からそんな言葉が出てくるなんて…」


今日の圭君は圭君らしくない。
外見は圭君だけど、中身は別の人なんじゃないかってくらい。


「お前の中の俺って、どんな奴なんだよ」


苦笑いにも似たそれを浮かべる圭君。
その言葉に、私が抱く圭君のイメージがぶわっと押し寄せる。
軽い、女好き、女の扱い方が上手、言葉に重みがない。そんなことばかり思い浮かんだ。
そんなマイナスイメージしか沸かないのに、どうして私は圭君と一緒にいるのかな。
格好いいから?
遊び相手にするにはちょうどいいから?
所詮、私の理由なんてその程度でしかない。


「圭君は、何で私なの?」

「んー?何だそりゃ」


圭君の質問を無視し、そんなことを尋ねる私は、とても自己中心的。