問題山積み

無機質な機械音が響いて、居心地が悪い。


「高木さん、こちらに座ってお待ち下さいね」


そう診察台に促してくれたのは、でっぷりと肥えた中年のおじさん。
私は言われるがまま、そこに腰を下ろした。














無言で器具を突っ込まれている私は、目前にあるオレンジ色のライトをぼんやりと見つめていた。
窓の外は、もう真っ暗だ。


「酷いな…虫歯だらけですね…」


先生が、マスク越しに低く呟いた。


「…ふぇ?」


開けたままの口では上手く返事もできず、間抜けな声だけが喉の辺りから出た。


「こことここ、それにここもここも虫歯だ。あー、こっちは大分進行してるな」


独り言なのか私に話し掛けているのか分からない口調で、つんつんと金属の何かで私の歯をつつく。