歯医者の扉を開ける時、表の看板が目に入ったが、診療時間はあと30分で終わるらしい。ぎりぎりセーフ!
「初診なんですが」
保険証を出し、安っぽいソファに腰掛けて問診表を記入する。
痛みは感じなくとも、奥歯の違和感は取れない。
待合室は私以外にはおばさんが一人いるだけで、オルゴール調のBGMが流れている以外はとても穏やかだ。
だけど私は病院に馴染みがないから、不安だけが募る。
気を紛らわす為に携帯をいじるも、病院って携帯の電源入れちゃいけないんだっけ、と思い出して慌てて電源を落として鞄に戻す。
置いてある雑誌はてんで興味を持てず、じっとタイルの床を見つめて、順番を待った。
「高木さん、診察室へどうぞ」
受付のお姉さんが、抑揚のない声で私の名前を呼んだ。
診察室の引き戸を開けると、中には患者さんが二人、診察台に横たわっていた。
二人共、看護士さんにされるがまま口を開けている。
「初診なんですが」
保険証を出し、安っぽいソファに腰掛けて問診表を記入する。
痛みは感じなくとも、奥歯の違和感は取れない。
待合室は私以外にはおばさんが一人いるだけで、オルゴール調のBGMが流れている以外はとても穏やかだ。
だけど私は病院に馴染みがないから、不安だけが募る。
気を紛らわす為に携帯をいじるも、病院って携帯の電源入れちゃいけないんだっけ、と思い出して慌てて電源を落として鞄に戻す。
置いてある雑誌はてんで興味を持てず、じっとタイルの床を見つめて、順番を待った。
「高木さん、診察室へどうぞ」
受付のお姉さんが、抑揚のない声で私の名前を呼んだ。
診察室の引き戸を開けると、中には患者さんが二人、診察台に横たわっていた。
二人共、看護士さんにされるがまま口を開けている。


