「食べきれなくても食べなさい。食わないからそんなガリガリの身体してんだよ」
私の箸が止まる。
「…そんなに痩せてないよ」
圭君は私の身体を知っている癖に、何を言っているんだろう。
お世辞かな。
チャラい圭君の褒め言葉なんて、ちょっと真実味に欠けるし。
普段なら言われて嬉しいそれも、今は卑屈に捉えてしまう自分がいる。
でも…もしかしたら、もう自分は自分が思っているよりも痩せているのかもしれない。
なのに、ダイエットがやめられない。
やめたら、またすぐ太ってしまう気がする。
それが怖いんだ。
どこまで痩せたら世界中の誰からも「細いね」と言われる身体になるのか、皆目検討がつかない。
だから私はもっと痩せなくちゃいけないんだ。
頑張った結果、体重計の数字が減るのを見るのは快感。


