コートを脱ぎ捨てて
ベッドに腰掛ける


鏡に写る自分は酷い顔で
乱れた髪を手櫛で整え
近くにあったメイク落としで化粧を落とす



「久しぶりに力使ったからかしら、疲れちゃった‥」



倒れ込むように寝転び
天井を仰ぐ



さっきの事を思い出しては
あの少年の安否が気になった



「無事ならいいんだけど‥」



体温は平熱くらいに戻せたけど
私の力じゃあ手足の凍傷はどうにもならないからそこが心配



いろいろ考えを巡らせながら
呼吸がゆっくりしてきて
閉じようとだんだん重くなる瞼に逆らう事はせず、夢の中へと落ちた




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