大丈夫、
君は私が助けるから。


『アリガトウ』

「っ!」


その声を最後に頭に響いていた声は消えた



ギュッと冷たくなった少年を抱きしめて施設まで走る


深夜にも関わらず
紀が呼びかけてくれたのか沢山の研究者達がいた

その中で私を出迎えたのは興時君だった


「朔夜さん!」

「この子‥」



1度整った息はまた荒くなり
冷えていた自身の体も今では熱を持っていた



「ご苦労様です。
朔夜さんはあちらに、」

「紀は?」


「今、研究室で指示を出しています。」

「そう‥
私は部屋に戻るわ」


「駄目ですよ!」


前髪をかきあげて踵を返す

正直今は部屋で寝たい


興時君の制止の声を聞き流して部屋へと歩を進めた