荒くなった息を整えながら
でてきた少年を抱き締める

冷え切った体からは僅かにだけれど呼吸音と心拍数が聞こえた


よかった、まだ生きてる


『生キタイ、死ニタクナイ
タスケテ、タスケテ‥』


未だに頭に響く声はか弱く辛そうなもので、必死に声をかける

「もう、大丈夫だから」



落ち着かせるためにもゆっくりと背を撫で、自分の集中力を高める


意識を全て
手のひらに集中させる

私の能力は物体の温度変化



とにかく彼を暖めながら
抱きかかえ紀に電話をかける



「今から1人、能力者連れて行くから!」



それだけ告げて電話を切った