「ねぇ、碧君」


「はい?」



父さんが出て行き少しだけ僕と朔夜さんの間に沈黙が流れたが

それは朔夜さんによってすぐに無くなった



「力、戻ってないのよね?」


「!‥はい」


「そっか」



力、とは能力の事だろう
そんなものが僕にあるかもまだ分からない

けど、朔夜さんは何か知っているだろうか?



「実はね、私‥
碧君の能力を知ってるの」



今までで一番小さい声で呟かれた言葉に僕は目を見開いた


そうだ、
父さんが言ってたじゃないか


“見たのは朔夜や”