紺青のテネレッツァ




「‥っこれは」

とにかく謝った方がいいだろうかと思案していれば、朔夜さんが小さく呟いた

「朔夜さん?」

「可愛すぎる!!」

「おわっ!」


まだベッドに寝転んだままの僕に、再び強くぎゅーっと抱きついてきた


可愛いって、僕がだろうか?


「朔夜の方が可愛い…っていうより綺麗ですよ?」


そう告げれば、父さんが吹き出した


「碧、何か勘違いしてへんか?
朔夜は男やで」


「へ?」


自分と30cmくらいしか離れていない顔を下から覗く


どう見たって綺麗な顔立ち

確かに少し背が高く肩幅が広い気もしなくもないが‥


普通に綺麗な女の人に見えた


「ちょっと!
そういう事実は隠しなさいよ」


「いや、このままやと碧が食べられる気したからな」