紺青のテネレッツァ




「ほれ、そろそろ離れたり
だいたい碧が起きてたから良かったものの、寝てたらどうする気やったんや。」



「え、盗撮しますけど?」

「やめんか」



呆れたような父さんに首根っこを掴まれて引っ張られる人



「父さん、この人は‥?」


「昨日言うとったお前の恩人や」



恩人、この人が。
僕を運んでくれたと聞いて、てっきり男の人だと思っていた



「朔夜、自己紹介しぃ」


「朔夜って呼ばないでよ。
碧君、私のことはさっちゃんって呼んでね!」



「さっちゃん、さん?」



少し困ってしまって首を傾げながら言えば
朔夜さんは口を押さえてプルプルと震えた


やっぱり、さっちゃんさんはおかしかっただろうか?

寝起きであまり動かない頭をどうにかはたらかせようとするが、まだ疲れているのか動きが鈍くなる