紺青のテネレッツァ




父さんは軽蔑や哀れな目で僕を見るだろうか。


そんな“目”を
父さんが向けた事もないのに何故だか凄く怖い‥




「記憶はいらないと言ったら」
「さっきの“言葉”以外は全て記憶から消させてもらう」



全て‥

前は僕が望んで記憶を消してもらったんだっけ、

今もまた消していいんだろうか

でもこのことはきっと僕の記憶の鍵となる


別に、父さんにこの話をする事はない
僕の中で留めておけば‥


消さないで、



「消さないで、ください」


「了解した」



その言葉を最後に声は消え
僕の意識はどんどんと闇の中に落ちていった