「これから君は紀 碧
儂のたった1人の息子や
だから、
敬語とか使わんでええし気とかも使いなや」
「はい」
息子っと言われてまた胸が暖かくなって目頭まで熱くなる
「そこは“うん”って言うとこやで。
分かったか、碧?」
「うん。分かったよ、父さん」
優しい笑顔、大きな手、暖かい体温、全てが心地良い
緩んでしまう口元を隠しもせず、だらしなく笑ってしまう
嬉しい、
その感情だけが胸をいっぱいにしていく
「さて、ほんなら話戻すで」
「仮説の話、だよね?」
「仮説だけではないけどな」
苦笑いを浮かべながら父さんはゆっくりと話し出した



