病院は、あの時亜由美が運ばれた総合病院。
亜由美は定期的にあの病院へ通っているらしい。
もう1年以上経つから亜由美は必要ないっていうけど、亜由美の親が未だに受診させているらしい。
……正直、あの場所へ行くことはちょっと怖い。
でも、やっぱり前に進まなきゃいけない。
「いいよ。病院も付き添うから」
『マジで!?ありがとう!』
「待ち合わせ、どこにしよっか?」
『えっとねー……』
それから時間と場所を約束して、私は電話を切った。
亜由美と、こんな風に普通に話せる日がくるなんて……
私は空を見上げて、ふっと笑った。


